昨日から雪祭りが始まったので、今日見にいこうかと思っていたが、あいにく暴風雪との予報。朝は晴れていたが、昼近くになると雪が降り出して風も強く吹雪になってきたので、今日行くのはあきらめた。11日までやっているので天気のよいときに行こう。今も窓の外は猛吹雪で、風の打ちつける音が響いている。
今朝まだ布団でぐずぐずしている私に、朝刊を読んだカッパさんが「チカップ美恵子さんが亡くなったよ」と教えてくれた。つい先日道立文学館でチカップさんの刺繍を観たばかりだった。そのときに主催者の道新の方が、チカップさんはご病気で入院中で催しには来られないことをお話されていた。白血病とのことで、深刻な病状が予想されたたが、こんなにも早く訃報を耳にするとは思わなかった。
チカップさんの刺繍のことは、先日も書いたけれど、伝統の文様を模倣するだけでなく、自らデザインを生み出していて、とても力強くすばらしいものだった。作品を前にすると、一針一針闘いというか、執念と呼べそうなくらい魂を込めて縫われていた様子が伝わってきて、一人娘のお嬢さんは、チカップさんがあまりにも刺繍に熱心なので、刺繍に嫉妬していたこともあったとか、著書に書かれていた。チカップさんがアイヌ民族の運動家として闘い抜かれた側面が、作品にも織り込まれているようだった。
以下は新聞等で読んだ内容ですが、運動家としてのチカップさんについて。
チカップさんは、北海道開拓100年記念事業で刊行された記念誌に、自身の写真が無断掲載され、またその記念誌がアイヌ民族を「滅びゆく民族」として紹介したことで、肖像権裁判を起こした。結局この裁判は出版社が謝罪して和解したが、チカップさんはアイヌ民族復権運動に一石を投じた人物として名前を知られるようになっていく。
アイヌを先住民族と国が認めて2年近く、チカップさんにとってはこれからというときだったのではないだろうか。それでも、アイヌに対しての差別はまだまだなくならないし、アイヌ民族に関する実態調査では、アイヌの大学進学率の低さや経済的な困窮度などが報告されている。アイヌに対するまなざしはこの肖像権裁判を起こしたときとあまり変化はないのかもしれない。私のように「北海道に来たからアイヌのこと知りたい」などという物見遊山的な態度は、チカップさんにしたらアイヌの記念誌を作った人と同じ類のものに写るものかもしれないと思う。それでも、私自身は、チカップさんの刺繍に出会えたことに感謝し、アイヌについて知ることで、自身についても振り返りたいと思っている。
チカップとはアイヌ語で「鳥」を意味するそうです。
1月のチカップさんの作品展のチラシには以下のチカップさんの言葉がありました。
チカップというのは「鳥」という意味である。
わたしはこの名前に思いを込めた。大地を羽ばたく鳥のように、
この社会を生き、大地にはもちろん、心にも国境という壁をつくることなく
アイヌ民族として生きたいと思った。
=今夜のごはん=
*大根と油揚げの煮物
*白菜と豚肉の炒め物
*にんじんのナムル
*キャベツのおみおつけ
(雪下キャベツが甘かった)
*牛肉とひじきの炊き込みごはん
今夜の「白菜と豚肉の炒め物」のレシピです(生活クラブのレシピ)
簡単で美味しく普段のおかずによい、こんなシンプルなレシピ好きです