チカップ美恵子さんという方は、アイヌ文様の刺繍家でいらっしゃると同時に、アイヌ民族の運動家でもおられる。私はアイヌ刺繍は博物館などで少ししか見たことないので全く詳しくないのですが、この方の刺繍は、その鮮やかな色彩感覚やデザインなどがすばらしくチラシに載っている刺繍の写真をひと目見ただけで「これはすごい!ぜひ観たい」と思わせるものでした。刺繍はアイヌ文様の曲線を見事に表していて技術的にも見事なのですが、テクニカルなだけでなく魂を織り込んでいるといいますか。この方はもともと油絵をやっていたそうで、樹木や鳥や雪などさまざまな自然を抽象的にデザインして刺繍にされているようで、彼女の絵心が刺繍のデザインに存分に生かされていました。そして、彼女の刺繍で特に私が気に入ったのは、地の布と刺繍の糸の組み合わせ方で、沖縄の布を使ったり、ウコンで染めた布を使ったり、アメリカで買ったというプリント柄の布やビロードなど遊び心がある。アイヌ刺繍というと藍色の布をベースにしているものというイメージがあったので、いろいろな布を使って、刺繍の糸も鮮やかなものを取り入れることで、刺繍が一層引き立つように感じました。
アイヌ刺繍、いつかやってみたいです。
ムックリというのは竹で出来ていて、口にくわえ、また
竹の先に糸をつなげその糸を引っ張って震わせて振動を出す。
ビヨーンともビーンとも音にあらわせないような音を出して
自然(風の音、河の流れ、くまの鳴き声)をイメージしながら音を出すそうです。
曲も楽譜もなく即興で演奏する
演奏は結城志穂さん
この方の演奏を聴くと本当に風の音や吹雪の音などが聞こえてくるようでした。
「あまり話すのは得意じゃない」といいながら、いろいろお話もしてくださった。
東京で生まれ、小さい頃からリラの会というアイヌのグループで
歌や踊り、ムックリをお母さんやおばさんも一緒にやっていたこと。
しかし東京にいるとアイヌのことをやっていても目標が見えてこないので
札幌に来たこと。札幌にきても、人間関係を構築するまで
時間がかかったこと。子どもが5人いて、子どもにはアイヌの文化の
楽しさを伝えていきたいことなど訥々と話してくださった。
5 件のコメント:
毎年、アイヌ文化フェスティバルというのが各地で開かれていて、東京でやっていたのを見に行ったことがあります。アイヌの文様、独特だよね。チカップ美恵子さんのは、アイヌを出発点にいろんな要素が織り込まれたものになっているんだね。私も見てみたいです。
ムックリは、恋人同士が恋を語らうのにも使われたとか。きっと、二人だけが理解できる調べを奏でたのね。フフフ
ムックリ、文化フェスティバルでもらってきて、家で吹いた(つまびく?)ことあります。金属の口琴は世界各地にあるらしいけど、竹は珍しいのでは。
チカップ美恵子さんは本も出していて、本の最初のところに作品の写真が載っていました。アマゾンで検索したら出てきます。
win min tanさんムックリを吹いたことがあるなんてよくいろいろご存知ですね。私は札幌に来るまで何も知らなかったよ。ムックリを吹いてくれた結城さんもムックリのことを「ラブレター」と言ってました。
>win min tanさんムックリを吹いたことがあるなんてよくいろいろご存知ですね。
フフフ 前の仕事の関係で、キング牧師とアイヌはよく勉強したのだ。
>フフフ 前の仕事の関係で、キング牧師と
>アイヌはよく勉強したのだ。
なるほど納得です!
ムックリは音でましたか?音を出すのがけっこう難しいと聞きました。
出ることは出るよ。簡単に出ます。ただ、奏でる、となると話は別と思います。口琴の音って、不思議だよね。聞き飽きません。CD一枚、持っています。
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